出産が終わり、「赤ちゃんが母乳を吸ってすくすく育つ」というイメージをお持ちかもしれません。
しかし、なんと8割近いママが「授乳がしんどい、やめたい」と思ったそうです。
私自身も、授乳にはかなり悩まされました。
正直、陣痛の痛みと同じくらい苦痛を感じました(涙)
具体的なエピソードとともに、どのようにして乗り越えたかをご紹介します。
だいぶ前の話ですが、きっとこれから出産をする方の参考になると思います。

母乳に悩まされるママは多い
産後に多くのママが経験するのが、「母乳の悩み」。
NHKのEテレ「すくすく子育て」(2020年)アンケートによると、8割近いママが「授乳がしんどい、やめたい」と思ったそうです。
理由は、「乳首・乳房のトラブル」が最多。
- 思うように母乳が出ない
- 赤ちゃんがうまく吸い付けない
- 赤ちゃんが吸うとき、乳頭が痛い など。
私の場合は、初めての出産時は次のような授乳の悩みがありました。
悩み①「母乳は良く出るのに、 赤ちゃんがうまく吸い付けない!」
悩み②「乳腺炎になってつらい!」
悩み③「とにかく吸われると乳首が痛い!」
具体的にトラブルの様子と解決した方法をご紹介します。

悩み① 母乳は良く出るのに、 赤ちゃんがうまく吸い付けない
私の場合、出すぎるくらい母乳が出ました。
(授乳室仲間から“ホルスタイン牛のよう“と言われるほど…)。
しかし、赤ちゃんがうまくお乳を吸えないのです。
授乳後の体重も増えません。
先生に相談すると「舌小帯短縮症」でうまく吸えないのではとのこと。
赤ちゃんの舌の下側にある薄い膜が短いため、舌が十分に前に出ないそうです。
先生の判断で、 舌小帯を切ることになりました。
幸い、舌小帯を切ってもらってからはよく飲めるようになりました。
おそらく麻酔なしで、チョキンと切られたようです。
処置を終えた赤ちゃんは、ぐったり寝入っていました。
大泣きしたのか、まぶたの周りに涙、タオルシーツには出血のあとが…
その姿を見て胸が締め付けられる気持ちでした。

悩み② 乳腺炎になって辛い
舌小帯処置のおかげで、上手に吸い付くようにはなりました。
しかし、なにぶん小さく生まれた子なので、哺乳量は限られています。
「ホルスタイン牛なみに出過ぎる母乳」と「少なくしか吸えない赤ちゃん」。
需要と供給のバランスが保てません。
圧抜きの搾乳をしてもいつもお乳がパンパン・カチカチ状態です。
産後2日目ごろ、乳房に大きなしこりができ、熱をもって痛みが出てきました。
乳汁が乳管内に溜まってしまい、“うっ滞性乳腺炎“になってしまいました。
助産師さんにマッサージを行ってもらいましたが、腫れが引かず…。
そこで提案されたのが「じゃがいも湿布」です。
じゃがいもをすりおろしたものを小麦粉に混ぜただけのものです。
不思議なことに、これがお乳の熱を気持ちよく吸い取ってくれました。

「じゃがいも湿布?何それ?そんなもの効くの?」と半信半疑でしたが、家族に作って持ってきてもらいました。
効果があったので、昔から伝わる民間療法は、侮れないものだと実感しました。
簡単ですし、費用はあまりかからないので、だまされたと思ってお試しあれ。
悩み③ とにかく吸われると乳首が痛い!
これが一番授乳期で苦しい経験だったかもしれません。
赤ちゃんがうまく吸い付けず傷がついたのか、私が乾燥肌だったせいなのか、両乳首の先に傷がついてしまいました。
そのため、母乳を吸われるたびに激痛が走るのです!
(よく見たら乳首に血豆ができていました・・・)
赤ちゃんはお腹が空いて泣き続けるのですが、あまりの激痛で、赤ちゃんにくわえさせるのに相当な決意が必要でした。
親鳥が近づくとヒナが口を開けるかのように、赤ちゃんはあーんと口を開けておっぱいを口にしようとするのですが、痛みを想像してさっと引っ込めてしまったことも何度かありました(涙)
お医者さんから軟膏をいただいて塗ったものの、劇的に治ったわけではなく、退院後も痛みに耐えた記憶があります。
それでも時間の経過とともに傷は治り、娘が1歳7か月の断乳まで母乳だけで育てることができました。

母乳の悩みは誰でもあるので、思いつめないで
これまで書いてきたように、母乳育児はできて当たり前ではありません。
「母乳だけで育てたい!」と思っても思うように出なかったり、乳腺炎や乳首の傷に苦しんだり。
母乳の分泌には、精神的なものも関係があるようです。
ママが過度のストレスを感じると、ホルモンの影響で母乳の出が悪くなることもあります。
私も2人とも母乳で育てたかったのですが、2人目は途中から母乳が出なくなってしまいました。
ちょうどその頃、上の子がアレルギーになってしまい、精神的も身体的にも疲れていたことが原因かもしれません。
そのため混合栄養(母乳と粉ミルクを併用)で育てました。
「赤ちゃんは母乳で育てないとダメ!」といった「母乳神話」の押し付けに苦しんでいるママも多いかと思います。
実際、2人目の子供は混合栄養でしたが、病弱・肥満にもならず丈夫に育ちました。
なにより混合にした育児は、夫の協力が得られるわけですから、本当に気が楽でした。
「母乳で育てないなんて母親失格…」と思いつめないでくださいね。
自分の体調や母乳の出に合わせた、フレキシブルな授乳期を過ごしてください。
人と比べないで、リラックスしてみよう
人によって、産後の状態は様々です。
母乳がすごく出る人もいれば、思うように出ない人もいます。
産後の回復が早い人もいれば、時間がかかる人もいます。
周りと比べて一喜一憂してしまうことがあるかもしれませんが、気にしすぎないようにしましょう。
完璧主義に陥らず、人と比べないことが大切です。

私自身、辛いこともたくさんありましたが、楽しいこともたくさんありました。
病院の食事がおいしかったり、授乳室でお友達ができたり。
ポジティブな気持ちになれるよう、気分転換できる方法をいろいろ試してみましょう。
楽しい事を考えたり、外の景色をみてリラックスしてみてください。
一人で悩まず、お友達に話したり、SNSで情報交換してみましょう。
それでも解決しない場合は、専門家に悩みを相談してみましょう。
楽しい子育てができるように心から応援しています!!